おとっつぁん

時代劇で、よく病気してる父親の面倒見る娘、みたいなシーンあるだろ。
今、そのおとっつぁん役みたいな状況になってしまっていて、で、心理学によれば、人間って役になりきっちゃうんだよな。破天荒な女の子に、きみってお姫様のようにおしとやかできれいだよねって言えば、「おしとやかできれいな」お姫様を知らず知らずのうちに演じてくれる。
俺は今「病床でせきこんでいる」おとっつぁんになってしまっている。この状況を脱するためにサプライズを用意する。


報告すべきことがあります。まだ決まったことではありませんが、自分の言っていることが自分で正しいかどうかもわかりません。ビートルズ観のことね。
俺はビートルズは、パート分けはジョンとかポールとかじゃなきゃ楽しくないと思うし、楽器も形や音が一緒じゃなきゃ楽しくないと思うし、原曲を忠実に動作まで再現しなきゃ楽しくないと思うし
だから、どうしてもみんな俺とは距離をおくだろう。気難しいもんな。
ただ、同時に、これは俺の考えで、他の考えがあることも人一倍知ってるつもりだよ。
誤解されて一番ショックだったことは、それを押し付ける俺がいけない、って思われたことなんだ。
本当にそれだけがショックだよ。あとは確かに俺が悪いけど、それだけはひどいよ。


確かにさ、昔組んでたバンドで、歌ってくれないことを理由に潰したバンドも、楽器をそろえることを強要して潰したバンドもあるよ。
でも俺はそれはその時に深く反省してさ、少なくとも今は押し付けてはいないんだ。
だって実際、あれ以来数多くの非コピーバンドも積極的に組んできたんだよ。メンバーにも押し付けがましいときは、いつもメンバーを気にしてるよ。自信があるし実際押し付けは俺もごめんだから。
なのにどうして、よく知りもしないくせに、俺がビー研でうまくいかないことは俺の押し付けの精神に起因するみたいなことが言えるんだい。

本当にショックだよ。
俺はてっきり「目に見えない大事なもの」がよくわかってるのかと思ってたけど、がっかりだよ。ただ聞いたことを鵜呑みにしてイメージを作り上げて、そのイメージをそのまま俺の評価にしているだけじゃないか。


別に疎外したつもりもない。楽器揃えないようなやつとは組まないなんて一言も言ってないし、実際俺ほど多くの人間とバンド組んだやついないし。
俺だって最初からリッケンとかヘフナー持ってたわけじゃない。
別に裕福でもない。

まぁ正直言えば、本気でビートルズやるならビートルズの楽器がないと・・・とは思うけど、別にそうじゃなきゃだめなんていってないし、言ってもないのに勝手にイメージでそうきめつけているだけだろう。
本当にがっかりだよ。



がっかりと同時に悔しい。
だからね、もう甘い言葉は信じないよ。逆に俺も。
信じられるのはビートルズやってる時の自分だけだと思った。それがこの数日考えぬいた一つの結論。
まだわからないけど、しばらくビー研とかサークルでビートルズやる機会から離れようと思う。
押し付けとか言われるんだったら、もう俺にとってビー研だとかティブラだとかなんてじゃまくせー。


世界は広いのに、ここは狭すぎる。外に出ることにしようかと思います。
自分の価値観も正しいと思っている。それは排他的な考えでもない。
その正しさを狭い世界に求めたのが間違いだった。
誰もが納得せざるを得ない、そういう行動をとるように決意した。