僕はノルウェーの森

ふいに思い出した。去年の秋のことを。
僕はまだ未成年で、まだ薬指の脇にほくろがなかった。
薬指にほくろができるわけがなかった。ほくろの本来の持ち主がいたからね。
僕は一人走りすぎていた。そしてよく周りを見ずに、丘の上で愉快だった。
僕はノルウェーの森。それは気のせいだったんだ。そしてこの鳥は飛んで行ってしまった。


あれから時間がたって、でもある友人があの頃の僕の仕事をたたえてくれて、口にしてくれたのは彼だけだったけど、十分嬉しかった。どれだけ憎まれようとも、僕は僕がすべきことをすればよいのだと思う。僕はたった一人のたったひとことで十分以上報われている。
そういう考え方もあるね。