誰かの話

tenkabito2007-05-22

寝ぼけてたのか寝てたのか起きていたのかよく覚えてないけど、とにかく夢か現の中で聞いた話。
話しての男が、子供の頃、雲を目の前で見たくて、親に頼んで富士山に一緒に登頂した。雲を目の前で見ると僕は感動した。僕は雲をリュックに詰めて持ち帰ろうとした。だけど雲はうまく中に入ってくれず、僕はひたすら泣いた。

ある時急にこの話が思い浮かんだ。僕はこの話を気に入った。
第一に親は子供の無邪気で、大人の目からはほぼ無価値のお願いを聞いてやってわざわざ山を登ったこと。
第二に、雲というのは、遠くから見れば形も色もついているのに目の前にくると実態がつかめないこと。人生でこういうことってない?あるオブジェクト(文字通り)に対して近付いて初めてむしろ遠ざかったような気持ち。
第三に泣いた子供がいい。子供はほしいものが手に入らない時どうしてそれが思い通りにならないのかが理解できない。逆に全部理解しちゃって、簡単に「雲は手に入らない」と決め付ける人生はつまらない。泣いて、泣くだけ泣いて、どうしたら手に入れられるのかを考える方が楽しい生き方だと思う。
また、親もそのことを知って、子供と山登りしたと思えば納得がいく。